香りの散歩道


夏至

墨絵・朝野泰昌
今日は、二十四節気の「夏至」です。
一年で最も昼が長い日を、いかがお過ごしでしょうか。

明治生まれの俳人、高浜虚子(たかはま・きょし)は、こんな句を詠んでいます。

夏至今日と 思ひつつ書を 閉ぢにけり

夢中になって本を読んでいて、ふと顔を上げると、あたりはまだ明るかったのでしょう。
「ああ、今日は夏至だったか」と気づいて本を閉じた、という映画のワンシーンのような句です。
窓辺で本を読むのが好きな方は特に、共感できる光景かもしれませんね。
そして、もう一句。
先ほど紹介した高浜虚子とゆかりのある俳人、百合山羽公(ゆりやま・うこう)が詠んだ、夏至の句を紹介しましょう。

夕刊に 夏至の匂ひの ありにけり

夕刊が届く時間になっても日が高く、新聞を広げたときに、ふと太陽の匂いがしたのでしょうか。
そんな瞬間を「夏至の匂ひ」と表現した句です。
本を読んだり、新聞を広げたりしているときに、季節を知ることができるのは素敵ですね。

夏至の日の今日、もしも皆さんが俳句をつくるとしたら、どんな光景を言葉にしたいですか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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